「黒ずくめの組織」の幹部でありながら、主人公・江戸川コナンの味方とも敵ともとれる行動をとる、謎多き美女「ベルモット」。特に、コナンの母親である工藤有希子との間には、意外な過去の繋がりが存在します。
この記事では、多くの謎に包まれたベルモットの正体に迫るとともに、工藤有希子との知られざる関係性を、原作のエピソードを基に詳しく解説していきます。
ベルモットの正体とは?
ベルモットの正体、それは表向きには死亡したとされるアメリカの伝説的な大女優、「シャロン・ヴィンヤード」です。彼女は自身の死を偽装し、その後は自分の娘である「クリス・ヴィンヤード」として世間に登場していました。
つまり、シャロンとクリスは同一人物であり、ベルモットはこの二つの顔を巧みに使い分けていたのです。
ベルモットの正体はシャロンで確定
結論から言うと、ベルモットの正体が伝説の大女優シャロン・ヴィンヤードであることは、作中で確定しています。ファンの間では長年様々な考察がされてきましたが、この事実は物語の中で明確に描かれています。
原作42巻「黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー」(アニメ第345話)では、FBIのジョディ・スターリング捜査官の追跡とコナンの推理によって、ベルモットが「シャロン・ヴィンヤード」と、その娘である「クリス・ヴィンヤード」の一人二役を演じていたことが暴かれました。
つまり、シャロンは公には死亡したと見せかけ、その後は娘のクリスとして活動を続けていたのです。これにより、「千の顔を持つ魔女」の最も大きな秘密が明らかになり、物語は大きく進展しました。
工藤有希子とベルモットの意外な関係
黒の組織メンバーであるベルモットと、コナンの母・工藤有希子。敵対するように思える二人ですが、その過去を遡ると「親友」という驚きの関係性を持っていますが、非常に複雑です。
二人は、若き日の女優仲間として交友関係はありましたが、ベルモットの正体であるシャロンが表向きに死亡したことで、有希子は親友を失ったと信じ込んでしまい、まさかその親友が、息子を追い詰める巨大な組織の一員であるとは知る由もなかったでしょう。
共通の師は「初代怪盗キッド」
二人の関係で重要なのは、変装術の師が同じであるという事実です。有希子とシャロンは、若かりし頃、役作りのために初代怪盗キッドである黒羽盗一から変装術を学んでいます。
ベルモットが持つ神業のような変装術の原点は、この黒羽盗一との出会いにあり、同じ師から学び、同じ夢を追った二人が、時を経て探偵の母と犯罪組織の幹部として対峙することになります。
ベルモットが有希子に見せる「甘さ」
有希子がベルモットの正体を知るのは、原作42巻の「満月の二元ミステリー」でのこと。コナンからすべてを聞かされた有希子は、親友の信じがたい真実に衝撃を受けます。
「漆黒の特急(ミステリートレイン)」では、二人は初めて互いの正体を知った上で直接対決します。ベルモットは有希子を追い詰めますが、殺害するには至らず「手を引きなさい」と警告するに留めました。この行動からは、かつての親友に対する情や、ベルモットの人間的な一面が垣間見えます。
時期 | ベルモットと工藤有希子の関係性 |
出会い | 女優仲間として出会い、親友となる |
修行時代 | 共に初代怪盗キッド(黒羽盗一)から変装術を学ぶ |
別れ | シャロン・ヴィンヤードが表向きに死亡し、有希子は親友を失ったと認識 |
正体の発覚 | 有希子がコナンから、ベルモットの正体がシャロンであることを知らされる |
再会と対峙 | 「ミステリートレイン」にて、互いの立場を理解した上で初めて直接対峙する |
ベルモットと有希子の関係がわかる重要エピソード
二人の複雑な関係性をより深く知るためには、以下のエピソードを見るとさらに分かりやすいでしょう。漫画やアニメで、彼女たちの過去と現在の交錯やそれぞれの想い、現在の状況を確認してみてください。
エピソード名 | 原作コミックス | アニメ話数 | エピソードのポイント |
工藤新一NYの事件 | 34巻~35巻 | 286話~288話 | 新一・蘭とベルモットの最初の出会い シャロンと有希子の親友としての姿が描かれる |
黒の組織と真っ向勝負 満月の夜の二元ミステリー | 42巻 | 345話 | ベルモットの正体がシャロンであると判明 有希子もこの時に真実を知る |
漆黒の特急 (ミステリートレイン) | 78巻 | 701話~704話 | 有希子とベルモットが互いの正体を知った上で初めて直接対決する重要な回 |
なぜベルモットはコナンを守るのか?
組織の一員でありながら、ベルモットはコナンの命を何度も救っています。その最大の理由は、コナンが工藤新一だった頃の、ニューヨークでの出来事にあるようです。通り魔に変装していたベルモットは、不慮の事故で命の危機に瀕しますが、新一と蘭に助けられます。
その際、新一が放った「人が人を助ける理由に論理的な思考は存在しねーだろ?」という言葉がベルモットの心に残り、それ以来、彼女の中で新一と蘭は、組織から守るべき特別な存在になったようです。
また、彼女はコナンのことを、組織を壊滅させ得る存在「シルバーブレット(銀の弾丸)」と呼び、大きな期待を寄せています。
未だ残るベルモットの謎と伏線
ベルモットは物語の中心に関わる重要人物であり、その言動には多くの謎が残されています。彼女の秘密が解き明かされる時が、黒の組織との最終決戦の鍵となる可能性もありますよね。ここでは、未だに残っているベルモットの謎や伏線についてまとめてみました。
ベルモットに関する主な謎 | 作中での描写 |
「あの方」との関係 | ジンいわく「あの方のお気に入り」 メールでの親密なやり取りなどから、特別な関係性が示唆されている |
年を取らない理由 | 20年前と容姿が変わらない 灰原やコナンを幼児化させた薬「APTX4869」を服用している可能性が考察されている |
真の目的 | コナンを「シルバーブレット」と呼び、その生存を組織に報告しない 組織の内部崩壊を望んでいる可能性がある |
組織の研究への疑問 | 組織の研究を「愚か」と評するなど、組織の方針に必ずしも賛同していない様子が見られる |
まとめ
この記事では、ベルモットの正体と、工藤有希子との意外な関係性について考察しました。
ベルモットの行動原理には、有希子との過去の友情や、新一の言葉に救われた経験が複雑に絡み合っています。彼女が抱える多くの謎は、今後の『名探偵コナン』の物語を読み解く上で重要な鍵の一つと言えるでしょう。気になる方は関連エピソードなど見返してみてくださいね!