『名探偵コナン』に登場する安室透は、探偵「安室透」、黒ずくめの組織の「バーボン」、そして公安警察官「降谷零」という3つの顔、通称「トリプルフェイス」を巧みに使い分ける、その謎に満ちたところも魅力敵ですよね。
この記事では、コナンに安室透の正体がいつバレるのか、物語の時系列に沿って解説します。
安室透の登場と謎
安室透が初めて物語に姿を現した時は、ドジなウェイターを装っていましたが、事件が起こると鋭い推理力を披露。毛利小五郎に弟子入りを志願し、探偵事務所の階下にある「喫茶ポアロ」で働き始め、自然な形でコナンの周囲に溶け込んでいきます。
安室の登場は物語に新たな謎を巻き起こし、黒ずくめの組織のメンバーであるベルモットが「バーボン」というコードネームを口にします。
この時、現場に居合わせた安室透、世良真純、沖矢昴の3人がバーボン候補として浮上し、視聴者は「バーボンは誰なのか?」と話題になりました。
コナンで安室の正体がバレる回は?
コナンでは、安室透が「バーボン」としての正体がバレたのがアニメ第701話~704話「漆黒の特急(ミステリートレイン)」です。このエピソードは「バーボン編」の大きなクライマックスとして描かれています。
走行するベルツリー急行の車内で、安室透は組織の裏切り者であるシェリー(灰原哀)を追い詰めます。この時、宮野志保の姿に変装していた怪盗キッドと対峙した安室は、自らが組織の探り屋「バーボン」であることをはっきりと明かしています。
これまでの流れを表にして見てみましょう。
出来事 | アニメ話数 | 概要 |
安室透の初登場 | 第667話~668話 | 私立探偵として登場し、小五郎に弟子入り |
バーボン候補の浮上 | 第671話~674話 | 世良、沖矢と共にバーボン候補の一人として疑われる |
バーボンとしての正体判明 | 第701話~704話 | ミステリートレイン内で、バーボンであることを明かす |
降谷零としての正体がバレる回は?
バーボンとしての顔が明かされた後も、本当の目的は謎に包まれていました。その全ての謎が明らかになり、物語が大きく動いたのが、アニメ第779話~783話「緋色シリーズ」です。このシリーズで、真の正体である「降谷零」の顔が明かされます。
降谷零の正体は、日本の公安警察の秘密組織、通称「ゼロ」に所属するエリート潜入捜査官で、安室の目的は、黒ずくめの組織を内部から壊滅させること。
この真実が明かされたことで、安室は敵から一転し、複雑な立場にいる強力な「味方」として物語に再配置されました。
安室透の3つの顔(トリプルフェイス)を解説
安室透の複雑な魅力は、使い分ける3つの顔のそれぞれが、明確な目的と人格を持って緻密に構築されている点にあります。ここでは、それぞれの顔を詳しく見ていきましょう。
名前 | 立場・所属 | 性格 | 主な目的 |
安室透 | 喫茶ポアロのアルバイト、私立探偵 | ・人当たりが良く、いつも笑顔を絶やさない好青年 ・料理やテニスなど何でもこなす完璧な人物 | ・コナンの近くで情報を収集し、周囲を油断させるための隠れ蓑 |
バーボン | 黒ずくめの組織の諜報員(探り屋) | ・冷徹で計算高く、目的のためには手段を選ばない非情さを持つ ・特にFBIに強い敵対心を示す | ・組織内で地位を確立し内部から崩壊させること ・当初はシェリー(灰原哀)の捜索が任務 |
降谷零 | 警察庁警備局警備企画課(通称「ゼロ」)所属のエリート警察官 | ・強い正義感と愛国心を持つ人物 | ・日本をあらゆる脅威から守ること ・他の二つの顔の活動の原動力 |
物語を深くする複雑な人間関係とは?
安室透の物語は、他のキャラクターとの関係性によって、より深く、より複雑になっています。特に重要な3つの関係性を見ていきましょう。
宿命のライバル「赤井秀一」
安室がFBI捜査官の赤井秀一に抱く激しい憎しみは同じく組織に潜入していた親友の公安警察官・諸伏景光(スコッチ)の死に起因します。
安室は長い間、赤井がスコッチを見殺しにしたと誤解していましたが、アニメ第866話~867話「裏切りのステージ」でその真相が明らかになり、スコッチの死の引き金が、彼を助けようと駆けつけた自分自身の足音だったという皮肉な真実を知った後も、二人の間には依然として緊張関係が続いています。
警察学校の同期たち
安室の精神的な根底には、若くして殉職した警察学校時代の4人の同期たち(松田陣平、萩原研二、伊達航、諸伏景光)との深い絆があります。
スピンオフ作品『警察学校編 Wild Police Story』で詳しく描かれたように、彼の卓越した爆弾解体の知識や運転技術は、今は亡き仲間たちから受け継いだものです。
彼らの存在が、降谷零という人間を形作っているのではないでしょうか。
江戸川コナン
安室とコナンの関係は、当初の「警戒する相手」から、「能力を認め合う協力者」へと劇的に変化しました。
安室は自らの力でコナンが「眠りの小五郎」の知恵袋であることに気づき、コナンもまた安室のトリプルフェイスの謎を解き明かしました。
コナンの正体を知った安室のこれからは?
物語が最終章に向けて加速する中、安室の立場はますます重要になっています。
コナンの正体に毛利小五郎も気付いていたよといった内容のものもありますが、安室は確定で「江戸川コナンが工藤新一」であるという事実にたどり着いています。
この事実は、組織のNo.2であるラムから「工藤新一の情報を調査せよ」と命令を受けていることから少し厄介な状況になっていることが分かります。
選択肢 | メリット(果たせる役割) | デメリット(生じるリスク) |
ラムに報告する | 【バーボンとして】 任務を遂行できる | 【降谷零として】 日本の切り札であるコナンを危険に晒すことになる |
真実を隠蔽する | 【降谷零として】 コナンを守ることができる | 【バーボンとして】 組織に嘘をつくことになり、自身の潜入捜査が危うくなる |
まとめ
安室透の正体は、「漆黒の特急」でバーボンとして、「緋色シリーズ」で降谷零として、段階的に明かされてきました。彼の魅力は、単なる謎多きキャラクターというだけでなく、それぞれの顔が持つ目的や、赤井秀一や警察学校の同期たちとの深い人間関係、そしてコナンとの複雑な協力関係によって形作られています。
今後の安室透、そして降谷零の活躍から目が離せません!