ダースモールといえばスター・ウォーズの『エピソード1』で真っ二つにされたはずのシスですよね。それなのに後年しれっと生き返っていて、驚いた方も多いはずです。この記事では、ダースモールの復活からその後の経歴までを時系列でまとめていきます。
ダースモールの復活とは?
胴体を切断されたモールがなぜ生きていたのか、不思議に感じますよね。ダースモールの復活は、実のところ「奇跡」という言葉ではくくれません。詳しい生存のからくりは後述しますが、単なる幸運の生き残りではありませんでした。まずは死の淵からの生還劇を、順を追って見ていきましょう。
ナブーでの落下と生存の理由
まず知っておきたいのが、モールが致命傷を負った経緯です。ナブー危機で、モールはオビ=ワン・ケノービとのライトセーバー戦の末に胴体を真っ二つにされ、原子炉シャフトの底へ落下しました 。普通の生命体なら確実に死ぬ状況です。
コミック『Sith Hunters』では、ジェダイ・マスターのジェフン・フォーンが、オビ=ワンへの純粋な憎悪(暗黒面の力)に加え、「何か他の強大な力」が生存に寄与した可能性が推測されています。
実際の生存の裏には、彼が母マザー・タルジンから受け継いでいたナイトシスターの古代魔術の血脈も深く関わっていたようです。
ロソ・マイナーでの10年以上
落下したあとの行方も壮絶で、切断されたモールの上半身は廃棄物コンテナに投げ込まれ、ゴミ処理惑星ロソ・マイナーへと流れ着きました。そこでモールは這い回るネズミを食べながら、10年以上もの間生き延びます。周囲の金属スクラップをかき集めて6本脚のクモ型サイボーグの下半身を自作し、なんとか命をつなぎました。しかし10年を超える極限の孤独と復讐心は精神を破壊し、かつて冷静だった戦士は完全なサイコパスの状態へ陥ってしまいます。
クローンウォーズ以降での活躍
狂気から立ち直ったモールは、もはやシスの一弟子という枠には収まりませんでした。自らが頂点に立つ裏社会の支配者として、そして新たなダークサイドの師として台頭していきます。こうした帝国時代以降の暗躍は、アニメ『モール/シャドウ・ロード』などで描かれています。ジェダイが滅んだ後もその動きが止むことはなく、ここからは復活後の主な活躍を時代を追って確認していきます。
帝国時代とクリムゾン・ドーン
まず舞台となるのが帝国時代です。時代設定はオーダー66から1年後。この頃のモールは、崩壊した勢力を再建すべく惑星ジャニクスに潜伏し、巨大犯罪組織「クリムゾン・ドーン」のドライデン・ヴォスらと接触しながら、裏社会の影の指導者へと上り詰めるための再起を狙っていました。
パルパティーンとダース・ベイダーが銀河を支配する状況の裏で、密かに独自の勢力を広げようとしていたわけです。作中では、実写ドラマ『アソーカ』にも登場した元尋問官のマロックや、帝国軍のストームトルーパーたちと刃を交える場面も描かれ、帝国にとっても無視できない危険分子でした。
ジャニクスでの潜伏と交戦
追われる立場になってからの動きも見どころです。帝国軍の厳しい追及を逃れるため、モールはミッド・リムの惑星ジャニクス(Janix)に潜伏していました。この惑星でモールは、帝国側の尋問官であるファースト・ブラザーやエレヴンス・ブラザーと交戦に発展します。帝国のインクィジターを相手取ってもなお生き延びるあたりに、復活後のモールの底知れなさがよく表れています。そして、この潜伏先でモールは思わぬ相手と出会うことになります。
デボン・イザラを弟子にした狡猾さ
ジャニクスでモールが見せたのは、武力以上に残虐な知略でした。この惑星で、生き残りのジェダイ・マスターであるダキと、そのパダワンであるデボン・イザラに遭遇しました。モールはイザラをただ殺すのではなく、その理想主義を精神面から徹底的に打ち砕きます。そして、かつて自分がパルパティーンにされたのと同じように、イザラを自らのダークサイドの弟子として引きずり込みました。武力ではなく他者の心を折って支配する、冷酷で狡猾な一面がよく表れた出来事です。
ダース・モールは根っからの悪役なのか?
こうした残虐な振る舞いを見せる一方で、ファンの中には「過酷な運命に翻弄されたモールは、実は根っからの悪人ではないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。彼がどうしてもヴィラン(悪役)であり続けなければならない理由や、パルパティーンによる洗脳教育の呪縛など、モールの複雑な内面や悲劇性については、以下の考察動画で非常にわかりやすく解説されています。彼に同情してしまうファンの方は、ぜひチェックしてみてください。
出典元:Force Ryota
モール復活をめぐる賛否と裏側
これほど劇的な復活だと、ファンの間で意見が割れそうではないでしょうか。実際、ダースモールの復活は公開当時から現在まで議論を呼び続けています。ただ、これは思いつきのファンサービスではなく、原作者ジョージ・ルーカス本人の構想に根ざした設定でした。ここでは、ファンの賛否と、その裏にあった制作側の意図を順に見ていきます。
復活への批判とファンサービス論争
まず気になるのがファンの反応です。Redditなどのコミュニティでは、今も賛否がはっきり分かれています。批判派の筆頭に挙がるのは、『エピソード1』での「真っ二つになって底なし穴に落ちる」という、誰の目にも明らかな死を後付けで覆した点です。これを「無思考なファンサービス」だとして、映画の描写を真剣に受け止めたファンへの冒涜だと糾弾する声が存在します。作品の整合性を大切にするファンほど、この復活には抵抗を感じたようです。
擁護派とKOTOR IIのダース・シオン
一方で、この復活を支持する声も根強くあります。擁護派が挙げるのは、憎悪だけを糧に肉体の死を拒むという設定が、ゲーム『Knights of the Old Republic II(KOTOR II)』に登場するダース・シオンのメカニズムと酷似している点です。ダークサイドの表現として理にかなうという評価です。さらに、アニメ版でモールの声を担当した声優サム・ウィットワーの狂気を帯びた演技が、壊れた戦士という設定に大きな説得力を与えたと支持されています。
ルーカスが描いた黒幕としての役割
裏側を知ると、見方が変わるはずです。実はジョージ・ルーカス自身が構想していた「続編三部作」で、モールは「統一銀河裏社会の主要な悪役」として再登場する予定でした。新生共和国や帝国残党が抱える弱点につけ込み、暗黒街から銀河を脅かす黒幕という役割が用意されていたのです。つまりモールの生存と裏社会の支配者への転身は、行き当たりばったりの延命ではなく、原作者があらかじめ描いていた明確なビジョンに基づくものだったと言えます。
フィローニが継いだシャドウ・コレクティヴ
そのビジョンを引き継いだ人物にも触れておきます。現在ルーカスフィルムのCCO(最高クリエイティブ責任者)を務めるデイヴ・フィローニは、ルーカス本人のアイデアを直接受け継ぎました。そしてアニメ『クローン・ウォーズ』の中で、モールがデス・ウォッチやブラック・サンを統合して「シャドウ・コレクティヴ」を結成していく過程を丁寧に肉付けします。こうしてルーカスの初期構想は、正史(カノン)の中で実現されました。
まとめ
今回は、ダースモールの復活と、その後の経歴をまとめてきました。真っ二つにされてなお憎悪で死を拒んだ生還劇、ロソ・マイナーでの狂気の10年、そして裏社会の支配者への転身という道のりです。ダースモールの復活は後付けの延命ではなく、ルーカスの構想がフィローニの手で正史になったものだと言えます。








